Concept
草処建設でプランニング、設計を担当している中野久美の古民家再生。実際に古民家を取得し、セカンドハウスとして、またカフェ、ショールーム、民泊施設の運営も視野に入れフルリノベーションしました。中野のリノベーションの真髄「できるだけ壊さないリノベーション」を形にした代表作の一つとなりました。
Data
建築面積 148.46平方メートル 44.91坪
延床面積 190.37方メートル 57.74坪

Concept
草処建設でプランニング、設計を担当している中野久美の古民家再生。実際に古民家を取得し、セカンドハウスとして、またカフェ、ショールーム、民泊施設の運営も視野に入れフルリノベーションしました。中野のリノベーションの真髄「できるだけ壊さないリノベーション」を形にした代表作の一つとなりました。
Data
建築面積 148.46平方メートル 44.91坪
延床面積 190.37方メートル 57.74坪


コロナ禍、どこにも行けなかった時にふと「山を買いたい」と思いました。自分の山ならいつでも出かけられると。すぐに山探しを始め、その道すがらこの古民家を見つけました。
桐生の市街地から梅田方面へ進んだ幹線道路の端。目の前は林でその先は桐生川。道路から高さ2メートルの石垣の上に立つ古民家。立つと言ってもサッシが外れていたり手入れされていないことが見て取れる状態でした。
不動産業者に連絡し内見。聞けば空き家になって5年。床も落ちており本当に荒れ果てていました。
朝昼晩と一日のうちの異なる時間帯を選んで通い、日当たりや風の通り、周辺環境を確認。前は川、後ろは山、川から吹く風に揺れる林、鳥のさえずり、雨音、虫の音…何もかも心奪われるものばかり。住まいからも近いこともありどうしても手に入れたいと思い、購入に至りました。
直近では大切にする人がいなかったかもしれませんが、柱や梁、土壁などからこの建物が建った時からある一定の時代までは大切にされ、住まう人の暮らしを支えてきたことが容易に伺えます。
私は新築とリノベーションの両方を担当しています。お客さまのリノベーションを考える時も「できるだけ壊さない」「残せるものは残す」ことに注力しています。
柱や梁、床、懐かしい風情の土壁などどれも愛おしく、壊してしまってはせっかく時が磨いた文化を消し去ることになります。
この古民家は柱や梁、床のほか土間、建具も多くを残しました。建具は防犯の観点から防犯ガラス仕様のサッシを使いましたが、内部の建具はそのままのものに丁寧に補修を施し、蘇らせました。最もこだわったのは土壁の下地材で、藁や竹が使われた下地を現しにすることにより、現代建築だけでは表現しきれない日本家屋の良さを引き出しました。






土間のあるリビングダイニングキッチン。薪ストーブを設置しました。薪ストーブの前に置いたベンチは上り框に使われていた材を再利用した造作家具。



水回りも古民家になじむようデザイン




こちらはカフェなどの業務用のキッチン

